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レンズマスター的色彩学
魚の視界



 魚の目と人間の目の最大の違いはその視野にあります。
 カメラ用のレンズで魚眼レンズなどといわれ、魚のから見た視界を再現するレンズも発売されていますが、実際に魚がそのように見えているのかは魚になってみないとわかりません。そもそもカメラはレンズがひとつなので、両眼視からはかけ離れた見え方をしています。
 人間の目が顔の正面にあり体より後方は死角になるのに対し、魚の場合は(魚種によっても差があるため今回はバスの目を基準にお話させていただきます。)、魚体の真後ろ以外はほとんど死角はありません。死角が無い代わりに両眼視野の範囲も少なくなり、距離感がつかみにくくなるということが想定できます。(両目の見た視線のズレから距離感を認識する為)
 厳しい生存競争を生き抜くために敵の存在を察知したり、餌を見つけるためには少しでも広範囲からの情報が必要となります。魚の視野が広いのは長きにわたり生き抜いてきた過程で必要だった条件なのでしょう。
 人間の目はというと、両岸視野の範囲が広いので距離感がつかみやすく、細かな作業をするのに適しています。イトを結ぶなどといった細かな作業は、細かい物が見えるという近用視力と同時に、イトの先端が結ぼうとしている糸の手前にあるのか後にあるのかを判断が出来る距離感が必要となります。試しに片目を隠してイトを結んでみてください。想像以上に難しいはずです。

 多くの魚は近眼(近くにピントがあって遠くの物はボケて見える)であるといわれています。ボケた状態でも見えないわけではないので、広い視野と優れた聴覚により餌や敵の情報を察知し、敵だと思えば逃げる、餌だと思えば近づいてきて確認するといった行動をします。
 バスやトラウトなどのルアーフィッシングで、ルアーを追ってきた魚が目の前まできて暫らく追尾した後にユーターンといった光景が良くあります。これを見て魚はルアーを良く見てる、目が良いという人がいますが、私はその反対で良く見えてないからこそじっくり見て確認しようとしているのではないでしょうか。

 左右の目は日本人の平均で約64mm離れています(黒目の中心から中心の距離で動向間距離といいます)。離れた目で物を見ているのですから本来なら物は二つ見えるはずです。しかし、その視線のズレを脳が修正して一つの物体として認識するのです。そのときに脳が修正したズレを距離感を計る目安にしているといわれています。
 大きく離れた位置にある魚の目から見た像というのはどのように見えているのでしょうか?
 こればかりは魚になって見ないとわかりませんが、想像する限りでは両眼視野の範囲で見た場合、視線のズレを修正することが出来ずに物が二つに見えいてるのではないでしょうか。魚がルアーを追ってきた時の行動を良く観察すると、ルアーの真後ろを追尾してきた時に左右に体をくねらす行動をとることがあります。近視の魚はルアーを発見するとそれが食べられる物なのか確認できる範囲まで近づき両岸視野の範囲で距離感を計ります。ただしその範囲ではルアーがダブって見えてしまうため、左右に体をくねらせよりハッキリ見ようとしているのではないかと推測されます。

 上下の視野に関しては、魚種による違いが大きく ハゼやヨシノボリ、ヒラメやカレイなどの底を這うように泳ぐ魚は、目が上のほうにあり下のほうはほとんど見えません。下を見る必要がないので当然と言うば当然なのでしょう。
 それに対し、バスやトラウトなど水面付近から底まで広範囲を泳ぐ魚は、上方下方とも意識しています。ただし、上方の視野のほうが広くなっています。
 バスやトラウトなどが底付近の餌を食べようとした場合、水生昆虫やエビ類・ハゼやヨシノボリなどの泳力の弱い魚になり、水面付近や中層を泳ぐ魚より動きは鈍くなるので、上方の視野のほうが機能的に優れているのでしょう。

 魚にルアーや餌を発見させる、釣り人の存在を見つけさせないといったことは非常に重要なことです。ただし、人間は人間の目や感覚を基準に魚の行動を予想してしまいがちです。魚の視界や感覚を想定して行動することが大切なのです。


 ※イラストのご協力 禄澤ゆう

 
 

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